2021年9月17日にDRE(Ducati Riding Experience)を受講して以前受講したHMS(HONDA Motorcyclist School)と比較してみました。
まず
・開催概要
DRE
www.ducati.com
HMS
www.honda.co.jp
DREは6月にプレイベントがありましたが、正式な開催は今回が初めてだそうです。
次回は決まっていません。(2021年9月18日現在アナウンスが無い)
ただ、DREにも何種類かあって今はレーストラックアカデミーの開催がアナウンスされています。
www.ducati.com
DREにはRookie、Road、Adventure、RaceTrackの4種類のアカデミーがあるそうで、今回私が受講したのはRoadです。
参加費は30000円です。(高級ランチ含む)
HMSは開催場所も多数あり、開催日も年間計画で公表されています。
技術や目的別にいくつものコースがあるので自分に合ったコースを選べる様になっています。
https://www.honda.co.jp/safetyinfo/HMS/school_schedule.pdf
参加費は14500円です。(STECの標準、昼食のお弁当含む)
歴史も規模もHMSの方がブッチギッテいますね。
お昼ご飯はDREの勝ちです。
ここからはHMSは私が受講した鈴鹿サーキットでの開催に絞って比較していきます。
まず開催地
DREは上記リンクにもありますが、バイカーズパラダイス南箱根で開催されました。
次回も同じかどうかは分かりませんが、同じと言う前程で比較します。
HMSは鈴鹿サーキット交通教育センター(通称STEC)です。
この二つを比較すると、比べるのもかわいそうなくらいSTEC圧勝です。
まずは広さはSTECが10倍近いでしょう。
路面の舗装もSTECは鈴鹿サーキットと同じアスファルト舗装だそうです。
一方DREは普通の駐車場で、アスファルトの継ぎ目から草は生えているし、段差も結構あります。
そう言う所の方が力がつくという考え方もあるかもしれませんが、やはり色々なトレーニングをやるにはちゃんとした路面が良いです。
天気が良ければ箱根の景色はいいと思います。
あと、最後にターンパイクを走るというのも一つの売りにはなり得ます。
が、STECには最後に鈴鹿サーキットのフルコース走行付きのクラスもあります。
開催地の比較ではお話にならないくらいHMSに分がありますね。
・使用車両
DREは
モンスター
ハイパーモタード 950
ストリートファイター V4 S
スクランブラー 1100 Sport PRO
スクランブラー ナイトシフト
スクランブラー Sixty 2
から申込時に選択。
DREはDucatiの現行車種でパニガーレとムルティストラーダ以外から選べます。
これはちょっと嬉しいですね。
特に今回は第1回だったので、どれもほぼ新車でした。
Ducatiには現行中型免許で乗れる車種が無いので、受講の条件に大型2輪免許所有が入っています。
HMSは以下のリンクに使用車種が載っています。
https://www.suzukacircuit.jp/stec/bike/vehicle/index.html
会場で選択します。
受講履歴や免許の種類によって制限があります。
さらに途中で変更も可能です。
が、台数に制限があるので自分の希望の車種が取れない事もあります。
最新型ばかりでは無いです。(むしろちょっと古めの車種が多い)
DREの方がちょっと嬉しい感じがしますが、最も大きな違いはHMSは一人1台でトレーニングしますが、
DREは1台を二人でシェアします。
要は交代でトレーニングするので、半分は見学になります。
HMSでは休憩時間以外バイクにまたがっています。
この点がこの後の比較でも決定的な差になります。
あっ、どちらも転倒などで傷がついたり、壊れたりしても修理代は要求されません。
(もちろんわざとやるなど悪質な場合は除きます。)
そう言えばHMSではプロテクターを貸してくれます。
(ボロボロですけどね。)
・トレーニング内容
DREもHMSも基本的なトレーニングは同じです。
HMSはコーススラロームがある代わりにDREはターンパイク走行がある感じかな?
ただ、トレーニングの量が圧倒的にHMSの方が多いんです。
先に書いた1台をシェアするというのが最も大きな理由ですが、トレーニングのやり方にもHMSの方に工夫が見られます。
DREはインストラクターは2名で二人とも地上で立って(時には走って)アドバイスを行います。
HMSのインストラクターは1名はバイクに乗って受講者の周辺にいます。
もう1名は集合場所にいます。
DREは一人が試技を終えると終わった所でインストラクターがアドバイスをします。
その間、次の受講者は待っているだけです。
このやり方は待ち時間が多くなり効率が悪いです。
HMSは一人はスタート地点にいます。
もう一人はバイクに乗って移動します。
試技の説明の時に受講者の動きをしっかり理解させて、試技が終わると指定の位置に戻るようになっており、戻ったところでアドバイスを行います。
試技は指定の場所まで戻るまでが試技になっている感じです。
なので、一人が戻ってくる直前に次の人がスタートします。
試技は連続的に行われ、アドバイスは待ち時間に含まれるので効率が良いのです。
バイクに乗っているインストラクターは不測の事態に備えたり、受講者を誘導したり、時には追いかけてアドバイスを行ったりします。
DREとHMSは開催時間はほぼ同じですが、実際バイクに乗ってトレーニングしている時間が全く違います。
HMSの方が少なく見積もっても3倍以上乗っています。(走行距離は会場が広い事もあっておそらく10倍は行くでしょう。)
HMSはトレーニング中汗だくになりますが、DREは汗をかきません。
HMSは次の日筋肉痛になりますが、DREではなりません。
と言う事で、トレーニング内容はHMSの方が圧倒的に量が多いです。
質もHMSの方が速度も高いので上だと思いますし、安全性もHMSの方が高いです。
・その他
DREは始まったばかりなのでリピーターが存在しませんが、HMSは何度も受講している人が沢山います。
ここまで書いて来て、現状ではHMSの圧勝と言う事になります。
DREの勝っている点はDucatiの現行車種に1日乗れる点とランチがおいしい点かな?
レンタルバイクでストファイV4を8時間借りるとレンタル819では21100円で、車両保険が3800円/日な事を考えると参加費の30000円も納得かも知れません。
目的が純粋に技術向上なら現在はHMSをお勧めします。
最新のDucatiに乗れて、おいしいランチを食べながら、さらに運転技術の向上を目指す欲張りな方はDREが良いでしょう。
今後DREも回を重ねるごとに改善されて効率が良くなり、HMSに匹敵するようになってくるものと思います。
そうなると、憧れのDucatiに乗ってトレーニングできる優位点は今以上に魅力的になると思います。
私はDucatiもHONDAも大好きなメーカーです。
その両方のメーカーが、ライダーの安全意識・技術向上に対してトレーニングを行っていることは素晴らしい事だと思います。
残念ながら現在のDREには物足りなさを感じましたが、それは今後関係者の皆さんの努力により改善されていくものと信じています。
DREの今後に期待したいと思います。